匙加減のオナハシ
*「こぉと」計画中に感じたことを様々な切り口のオハナシで綴っていきたいと思います*
匙加減のオハナシ
「こぉと」計画が徐々に具体化してきた頃 「こぉと×食」をどう捉えるか?と考えた際に真っ先に浮かんだのは2人の女性でした。私達3人に共通しているのは食べ物の「素」に強いこだわりがあるということ、そして毎日の食事は大切にするけれど、極力シンプルにという信念を持っていることです。「凝ったお料理は外でいただけけばいいよね」と完全に割り切っていることも共通項。「こぉと」では2人のお料理を味わってもらい、彼女たちの料理に対する理念を皆さんと分かち合いたいと、プロジェクトに参加してもらうことになりました。
ある日3人で「こぉとなごはんてなんだろう?」 そんな話になった時に自然に出てきた言葉は「匙加減」。ほんのちょっぴりの匙加減で味が決まったり、ぼんやりしたり。そんな匙加減の大切さは食以外にも当てはまる気がします。日々の暮らしの中、ちょいど良い頃合いの匙加減を心得ることで、衣食住すべてのセンスがピリッとしまります。アートと暮らすその先を提案する「こぉと」ではまさにその匙加減がとても大切。そんな話から2人のケータリングユニットの名前に「匙」という単語を入れることになりました。そしてアートアドバイザーの私が提案するライフスタイルに寄り添ったごはんにしたいという彼女たちの申し出から「et saji」と名付けることになったのです。
何年も前のお鮨屋さんのカウンターで耳にしたやり取りが実に面白く今でも忘れることができません。何席か向こうにいた男性客が「大将、プロと素人の違いはなんや?」と突然尋ねたのです。「あら、なんて直球ストレートな質問なのかしら」と思わず聞き耳を立てたてたころ、間髪入れず返ってきた返答に「なるほど」と思わず膝を打つ思いでした。
「プロは味がずっと同じ。素人の怖いところはたまにプロを上回るものを作る。でもそれはずっとは続かない」
それ以降自分が作った一品が会心の味に仕上がった時も必ずその言葉を思い出します。そしてその言葉通り2週間後に同じ献立を作っても同じにはならない。そんな時は味が再現できずがっかりしつつも、やっぱり私は素人なんだとクスリと心の中で笑ってしまうのです。プロは安定した匙加減を持続するから同じ味を造り続けることができるのですね。けれど一方で気分に合わせて匙加減を調整できるのも素人料理の良さかもしれません。プロの匙加減は美味しさを追求するため毎日の献立には塩辛かったりしますもの。
やり過ぎず、自分たちなりの匙加減をわきまえつつ、新鮮な明日香の野菜を使った「こぉとなお弁当」やら「こぉとなケータリング」 そんな料理を彼女たちと作っていけたらと考えています。頭を柔らかくいろんなアイデアも取り入れつつつ根っこのところはシンプルに。地味なりに一捻り、派手さはないけどこだわりのある、それが私の考える理想の食の形。料理に作り手の心持ちなども反映できればなお嬉しい。
「こぉとな匙加減」を皆さんと共有できますように。
匙加減のオハナシ
「こぉと」計画が徐々に具体化してきた頃 「こぉと×食」をどう捉えるか?と考えた際に真っ先に浮かんだのは2人の女性でした。私達3人に共通しているのは食べ物の「素」に強いこだわりがあるということ、そして毎日の食事は大切にするけれど、極力シンプルにという信念を持っていることです。「凝ったお料理は外でいただけけばいいよね」と完全に割り切っていることも共通項。「こぉと」では2人のお料理を味わってもらい、彼女たちの料理に対する理念を皆さんと分かち合いたいと、プロジェクトに参加してもらうことになりました。
ある日3人で「こぉとなごはんてなんだろう?」 そんな話になった時に自然に出てきた言葉は「匙加減」。ほんのちょっぴりの匙加減で味が決まったり、ぼんやりしたり。そんな匙加減の大切さは食以外にも当てはまる気がします。日々の暮らしの中、ちょいど良い頃合いの匙加減を心得ることで、衣食住すべてのセンスがピリッとしまります。アートと暮らすその先を提案する「こぉと」ではまさにその匙加減がとても大切。そんな話から2人のケータリングユニットの名前に「匙」という単語を入れることになりました。そしてアートアドバイザーの私が提案するライフスタイルに寄り添ったごはんにしたいという彼女たちの申し出から「et saji」と名付けることになったのです。
何年も前のお鮨屋さんのカウンターで耳にしたやり取りが実に面白く今でも忘れることができません。何席か向こうにいた男性客が「大将、プロと素人の違いはなんや?」と突然尋ねたのです。「あら、なんて直球ストレートな質問なのかしら」と思わず聞き耳を立てたてたころ、間髪入れず返ってきた返答に「なるほど」と思わず膝を打つ思いでした。
「プロは味がずっと同じ。素人の怖いところはたまにプロを上回るものを作る。でもそれはずっとは続かない」
それ以降自分が作った一品が会心の味に仕上がった時も必ずその言葉を思い出します。そしてその言葉通り2週間後に同じ献立を作っても同じにはならない。そんな時は味が再現できずがっかりしつつも、やっぱり私は素人なんだとクスリと心の中で笑ってしまうのです。プロは安定した匙加減を持続するから同じ味を造り続けることができるのですね。けれど一方で気分に合わせて匙加減を調整できるのも素人料理の良さかもしれません。プロの匙加減は美味しさを追求するため毎日の献立には塩辛かったりしますもの。
やり過ぎず、自分たちなりの匙加減をわきまえつつ、新鮮な明日香の野菜を使った「こぉとなお弁当」やら「こぉとなケータリング」 そんな料理を彼女たちと作っていけたらと考えています。頭を柔らかくいろんなアイデアも取り入れつつつ根っこのところはシンプルに。地味なりに一捻り、派手さはないけどこだわりのある、それが私の考える理想の食の形。料理に作り手の心持ちなども反映できればなお嬉しい。
「こぉとな匙加減」を皆さんと共有できますように。
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