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2021/03/06

こぉとのオハナシ


「アートを暮らしに」と提唱し続けてきた私の役割はほぼ終わったと実は2年ほど前から感じています。昨今同じようなことを唱える方も多くなってきたし、様々な媒体でインテリアにアートを取り入れるコツをレクチャーしている特集を目にするようになりました。

その流れをとても喜ばしく思うと同時に、インテリアにアートを取り入れてもらうべく孤軍奮闘していたあの頃を振り返り、懐かしくさえあります。私の担ってきた(というとたいそう大げさで偉そうに聞こえるかもしれませんが)役割のバトンを渡すべき時期に来ているのかもしれません。とはいえ、これから先も良い作品を多くの方に届けたいという気持ちに変わりはなく、アートアドバイザーとしての仕事は続けるつもりです。ただ今までと少し違った新しい試みにチャレンジしたいという気持ちが徐々に大きくなってきました。

これまでは「アートと暮らすとどれだけ生活が豊かになり心が満たされるか」をお伝えすることが出発点でしたが、これからはすでにアートと暮らしている人が、どういう暮らしを求めるようになったかの視点で生活全般を提案したいと思うのです。つまり「アートと暮らすことでどんな心持ちに変化していくのか」というアプローチでしょうか。さらには「アートと暮らすとどんな風に暮らしたくなるのか?」そういったことをこれからは提案していくつもりです。

そんな中つらつら考えるうちについに小さなプライベートビューイングスペースを構える決断をしました。古い日本家屋の一部を改装しそこから「アートを購入したその先」といったものを発信したいと考えたのです。

そしてその空間の名前を考えているうちにふと「こぉと」という言葉が自然と頭に浮かんできました。おそらく多くの方にとってはあまり聞き馴染みのない表現でしょう。古いなにわ言葉であらためて調べてみると”派手の対極”にある形容詞で、”渋い・地味だけと品が良く人の目をひく””渋くて趣がある””質素で上品”という意味があります。「こぉと」と小さくつぶやいた時、小さな頃からちょっと渋いものが好きだった私が何かを選んだ際に、よく祖母から「えらいこぉとな趣味やね」と言われていた記憶が鮮やかに蘇ってきました。

アートと暮らすと華美なものにあまり興味がなくなり衣食住すべてにおいてもっと素のものというか真髄に迫ったものに心惹かれる気がします。衣食住ことさら主張するものではなくとも、でも実はとてもこだわりがあったりするものを求めたくなる感じ。そんな想いを込めるのに「こぉと」の表現がしっくりきたのです。華やかなアートシーンとはかけ離れた遠くの場所で、私はこの先も地味にひっそりと、けれど私なりの頑なな信念をもってアートと関わっていきたいと強く思います。

「こぉと」は主にセミナー開催やアート中之島と連動したプライベートビューイングスペースとして活用していく予定です。そして同時に田舎に暮らすアートアドバイザーである私のライフスタイル発信の場所として皆様に何かをお伝えしていけたらと考えています。

アートと暮らすその先にあること。

どんな空間に暮らしたいの?
何を着たいの?
どんな香りと暮らしたいの?
何を着たいの?
コーヒーやお茶はどんなのが好き?

そんなことを考えつつ近い将来コラボ商品も手掛けるつもりです。

ブログを綴り出したころからの妄想事項は、、、

雑誌でインテリアとアートの連載をしたい。
小さくても自分の大好きな作品を集めたアートフェアを開催したい。
本を出したい。
本屋さんで奥村セレクト書棚を作ってもらいたい。
プライベートビューイングルームとして小さな空間を持ちたい

言霊の威力は恐ろしく、ずっと言い続けているうちになんとすべてが実現してしまいました。

けれど私はまだまだ先に進みます。

「アートを暮らしに」の熱い想いははもう十分にたくさんの方に伝わったはず。

さらに先に。もっと先に。







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