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2018/03/11

着こなす、そして住みこなす(前編)

インテリアに造詣の深い女性たちと話していると改めて気づくのが日本のインテリア事情の悲しさです。これはなにも上から目線というのではなく巷に良いもの美味しいもの美しいものが溢れている日本なのになんでインテリアはなおざりなんだろうという嘆きのような感情です。こういうと「奥村さん、今はインテリアショップもいっぱいあってインテリアに興味のある人はたくさんいますよ!」とお叱りを受けるかもしれませんね。でもここで触れたいのはちょっぴり違う角度からのお話なんです。

大学生だった頃、バックパッカーで日本に滞在していた女性たちに英語を習っていました。”たち”とは彼女たちが日本から立ち去る時に次の先生をリレー式に紹介してくれて何年にも渡りネイティブの英語を習っていたからです。当時は珍しかった喫茶店(そう、カフェという言葉も特別で、スタバだってなかったんだ、、、)での個人レッスンが中心でしたが、時折自宅に伺ってごはん食べながらのんびり過ごすなんてこともよくありました。

ボロボロだったり新築だけどとても小さなアパートだったりと彼女たちの居住空間は恵まれたものではなかったけれど、なぜかとても居心地よく一時的なものであれきちんと巣作りされている感じがしました。きっと日本人だったらそういうとこに住んでる人は住空間には興味がなく、狭いから、小さいからとエクスキューズしてだらっと暮らしちゃうんだろうな、といつも私はぼんやり思っていました。

時は経ち、今度は逆にとてもお金をかけた大邸宅といったもののインテリアに携わったり、目にする機会も増えました。ところが不思議なことにどこかで昔の記憶がいつも蘇ってくるんです。「箱じゃない」つまり家だけが重要ってものじゃないんだよな~といった感覚が、、、

アートアドバイザーに転身してもその感覚がどういうことを意味しているのか上手く言葉が見つからず、時折考えていたんですが、先日電車に乗ってた時「あ!」と気づきました。

多くの日本人は(一括りにして本当にごめんなさい)住みこなすことが不得意なんだと突然降りてきたんです。どんなに素敵な家具や最新のキッチンを備えた邸宅でも住みこなしている感じが伝わってこないのはそういうことなんじゃないかって。着こなすという言葉は割とよく使いますが”住みこなす”という表現はあまり聞きませんよね。でもインテリアセンスをアップさせるにはファッション同様”こなす”ことが大事なんだと思います。

私はインスタグラムで衣食住アートという観点で馬鹿らしく思えるかもしれませんが、着回し画像なんかも投稿しています。これって少ないアイテムで”着こなす”という自分なりのテーマがある一方で自分スタイルの確立を狙っての割と真面目な投稿なんです(笑)

まずは着るという女性にとって大きな興味の対象であることから見直すことことも生活全般のスタイル確立に一役買うような気がしていて、そんなことを最近ずっと考えているから突然”住みこなす”という言葉は浮かんだのかもしれません。

そこで最初に触れたバックパッカーの女性たちの”住みこなし””の様子を思い出してみると、、、

1)バックパッカーだから当然ながら持ち物は最小限。必要なものしか存在していない
2)こうでなきゃならないという意識がない
3)ものがなくても長期滞在になるので心安らぐ何かが飾られていたり花屋グリーンも生活に溶け込んでいる

これはそのまま私が本で伝えたかった内容と被ります。

ちょっと長くなりそうなんで後編は後日。。。


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