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2018/01/14

村上友晴展~ART OFFICE OZASA(京都)

2018年がスタートし2週間が過ぎました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
厳しい寒さが続いていましたが、今週からは少し暖かくなるとのことでほっとしています。

先月に義母が急逝し、皆さんには年始のご挨拶もできずにいました。義母はまだ女医という仕事自体が珍しかった時代に外科医として生きることを選び、真っすぐに自らの道を進んだ心優しき熱血漢でした。私にとっては愛する家族であると同時に一人の女性としてレスペクタブルな存在だった義母。そんな彼女をお手本に自分の人生を余すことなく生き抜こうと思った年明けでした。

さて今年初めて訪れた展覧会は村上友晴展。そんな心持ちに相応しく背筋がピンと伸び、厳粛な気持ちで臨みたくなるような展覧会でした。何年か前に名古屋で桑山忠明氏との大きなグループ展があったのでご覧になられた方もおられるかもしれませんが、なかなか鑑賞する機会のない作家なのでよほどのアートファンでない限り、氏の名前にピンとくる方はおられないかもしれません。

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作品を最初に観た時、鑑賞というより祈りを捧げる行為が相応しい気持ちになったことをよく覚えています。後から氏が敬虔なカトリック信者であり、その制作スタイルも修道院の生活に倣ったものであることを知りました。深夜に起床し日の出まで制作、協会に行き朝の祈りの後食事。昼寝をした後夜の祈りまでまた制作、、、そのような日々を送り生み出される作品を前にすると厳粛な気持ちになるのも至極当然のような気がします。

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当初は長谷川等伯の作品に惹かれ水墨画を学ぼうと日本画を専攻しておられたのだとか。けれど岩絵の具をの表現方法に馴染めず、アメリカ氏抽象主義の画家たちの作品に衝撃を受け、今のようなスタイルに転換したそうです。真っ黒に塗られたキャンバスに木炭の粉末を混ぜて油分を減らした油絵具を塗る込めていきながら数年かけて制作される作品。そんな作品を前にすると言葉にならない思いが心の中に静かに湧き上がってきます。

皆様、是非に。(会期2月10日まで)







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