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2017/06/05

センスの伸びしろ

セミナーを開催すると無意識に心の中にあっても気づかなかったことがクリアになることが多々あります。人様に何かをお伝えするという行為は受講者の方に少しでも喜んでいただくことが最重要ではありますが、時として自分のためにも役立つことがあるものです。

何年も前のこと。ある男性編集者の方とお話した際にちょっとばかりショックな事実を告げられたことがあります。都内もしくは東京近郊に住んでいるセンスの良い人(分野は様々ですが)は取材などと通してさらにセンスが良くなっていくけれど、関西にいるセンスの良い人はそんな機会が少なくて”そこそこセンスの良い人”で終わってしまうんだと。

これを聞いたとき正直「そんなこと言われてもアンタ、、、」の心境になりましたよ、まったく。全てのものが東京一色集中の中、関西、その他の地方で頑張っていても所詮無理ってことなのかって。けれど数年後にはSNSがすごい勢いで台頭してきて、特にインスタグラムなどを通じて日本全国のセンスの良い方たちがご自身の世界観を存分に発信しているのを見ると時代は確実に変わったな~と思います。

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その話はずっと忘れていたのですが、セミナーの中でもお話した内容(セミナー受講者以外秘密、なんてね。笑)についていろいろ考えているうちに突然数年前のその編集者の言葉を思い出したんです。で、確かにそれは言えるな~と今更ながら納得しました。

アートとインテリアを結び付ける珍しい仕事を10数年前に始めたことから、ありがたいことに様々な雑誌で取り上げていただく機会にも恵まれました。先日資料整理している際にその頃取材を受けた雑誌なんかがでてきたんですね。それを見ると「うわっ!インテリアスタイリング下手だわ~💦」と恥ずかしくなってきました。もちろん悪くはないんだけど今見るとあんまり上手じゃない(笑)

その頃にはインテリアコーディネーターの仕事のキャリアも積んでいたしインテリアのことはそこそこわかっているつもりでした。センスも良い方だとうぬぼれてたとも思います。お客様から「奥村さん、センスいいわ~なんでも奥村さんに聞いてから決めるわ~」と褒めていただいて有頂天になっていたのもその頃です。ただそういわれることによりさらにセンスが磨かれるというものではないということに当時は気づきませんでした。だってどんなに素敵なお客様でもプロではない訳ですから、、、

ところがアートの仕事がらみで取材を受けたり、連載を担当したり、はたまたみずから取材にいったりする機会を得て、もっと深いところのなにかが経験ではなく体験のような形で沁みこんでいたのですね。撮影時には光栄なことに素晴らしいカメラマンの方とご一緒することができ、彼ら、彼女らの撮影する角度から客観的にインテリアやアートを観ることができたことが今の私にとってすごくためになったなと思います。

「こっちの○○を少しずらして」「前後置く位置を変えて」「もう少し大きいのをこっちに」なんてカメラマンの指示にライターの方、もしくは私があちこちいろんなものを動かしたりしているうちに空間を捉える感覚が強化されていったのかもしれません。最初は「そんな些細な一緒じゃないの?」なんて思っていましたが、やはり出来上がった画像を見ると全然違う。それを思うと先に述べた編集者の言葉がすごく理解できるのです。この経験はアートの飾り方にもものすごく影響を与えてくれました。先日のセミナーではその経験から得たインテリアセンスアップ術のようなものをお伝えしたかったのです。

各自持ってるセンスって”伸びしろ”があるものなんです。まだ私も伸びるかしら???(笑)
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