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2017/04/27

今更ながら病院のアートは難しい💦

少し前になりますが産婦人科小児科の病院に作品を納品してきました。産婦人科というとフェミニンな内装でまとめられているケースが多いのですが、こちらは全く違います。とにかく建物自体がセンス良くてカッコ良くて洗練されていて、でも温かみもちゃんとあるというすばらしい空間なんです。芦屋の駅前に3代続く渡辺産婦人科と聞くとあの辺りにお住まいの方はすぐにおわかりになりますよね。初めて伺った時に私は建物のタイルにすっかり心奪われてしまい「これっていったいどこのメーカーのタイルなんだ?」と頬ずりするくらいに顔を近づけるという不審者マックスの怪しい動きに走ってしまいました。(インテリアコーディネーターだった頃の名残からなのか?)

建物の素晴らしさに加え院長先生の病院に込められた優しくて熱い想いを伺ううちに何が何でもこの空間にふさわしいアートを見つけなければと武者震い(?)に似た感情がふつふつと湧き上がってきたのです。けれど張り切り過ぎてしまって第一回目のプレゼンでは大失敗💦空間にアートを入れるというスキル的なことには自信があると慢心していたんですね。肝心の病院という場所に設置するアートであるということや患者さんの気持ちとを慮るといった細やかな配慮にかけていたのです。院長先生から再度ご希望を伺い今度は失敗できないと作品をお探しすること3か月。やっと空間全体にバランスよく配置できるアートが見つかりました。

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1月のドミニク・ルトランジェ氏の個展で「もうぜったいこれしかない!」とビビッときた作品に出会いそれらが決まると私の頭の中で自然と他のアートも組み合わさっていってすごく良いプレゼンができる気分になってきたのです。空間の核になる作品を選ぶということは本当に大切なことだと改めて気づかされる仕事になりました。

同じ壁面に大きなドミニク氏の作品を3点。外部のタイルもインテリアに一部使われており作品モチーフと見事にリンクしました!

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間接照明の関係で黄色く写ったり白く写ったりしていてごめんなさい💦一番奥の壁は一部ポイントクロスが使われておりその色ともぴったりでした。

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受付カウンターと待合空間を挟んだ向こうの壁にはチェン・ルオビン氏の紙の作品を2点。モノクロの作品ばかりでシャープになり過ぎないようここで綺麗な色を配置します。

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エレベーターホールには西村盛雄氏の作品を2点。ここにちょうど血圧計があるんですがこの作品観ながらだと血圧も安定しそう(笑)設置後上からエレベーターで降りてきて扉が開いた途端自分がコーディネートしたことも吹っ飛んで「うわあ!素敵!」と鳥肌立っちゃいました💦

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そして奥に入った壁には坪田昌之氏の立体作品を設置。平面作品が続いていたので立体作品を組合すことで空間に変化を加えたかったのですがこれが大正解でした。

ニッチに置かれたイッタラバードとも相性良し!

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私がアートをいれさせていただくクリニックや病院のドクターたちは患者さんの緊張や不安を軽減するために様々な気配りをなさっています。心にそっと寄り添ってくれるようなアートをご提案することで少しでもそんな心優しいドクターたちのお手伝いができればと毎回心から思います。

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