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2017/02/17

「買うての幸い、売っての幸せ」

高田郁氏の新シリーズ「あきない世傳金と銀」(3)が出てすぐに読了。以前もここで私の尊敬するマダムから高田作品の面白さを教えて頂いたこととか、サイン会での高田氏の様子などお話したことがあります。

高田氏の作品の主人公の女性たちはみんな努力家で真が強くてぶれなくて健気で、、、本当に泣けちゃいます。この新シリーズのヒロインも然り。不幸に見舞われながらも類まれなる商才で商いを広げていく(のであろうと思われます、、、まだ3巻だけど。笑)様子に励まされる思いです。

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さてここからは少しインスタグラムでも書いたのですが、かなりはしょっていたので今一度ブログで。本の中で「買うての(こうての)幸い、売っての幸せ」という言葉がでてきます。この言葉私がアートを売る時にいつも思っていることとすごく近いと思わず膝を打ちそうになりました。絵をどこで買っていいかわからない、アートを探している方に作品をお探しし、お客様に幸せになっていただく、お気に入りの作品をお嫁入りさせることで私自身とても幸せになる、、、何を売るので相互に幸せ感を共有することこそがあきない(商売)の基本の基だと思うのです。

本の中では(あまり言ってしまうとこれから読まれる方へのネタバレになっちゃいますが)当時面倒だった既婚女性のお歯黒のための便利グッズ(ざっくり言うと)を思いついて売り出そうとするくだりでてきます。つまり多くの人が必要としている、しかし思いつかないニッチなものを売り出すことにより買う方、売る方それぞれが幸せになるということなんです。

まあ、若干私の思うところと意味合いが違いますが、なんだかこの言葉妙に私にしっくり来たんですね。そう思うと納品の度に満足そうな笑顔を浮かべられるお客様と、アートを納品する度に飽きることなく嬉しくて高揚した気持ちになるワタシはまさに「買うての幸せ、売っての幸い」!!!

さて舞台は大阪天満ですから古い浪花言葉もたくさん出てきます。そうそう”買うて”を”こうて”というのも大阪弁ならではですよね。大阪弁は柄が悪いと全国的に思われているようですが、それってどうなのかな~と思います。NHKの朝ドラ「あさが来た」の新次郎さんの柔らかで品の良い大阪弁、「細雪」の中で使われている得も言われぬはんなりとした美しい船場言葉。本当に大阪弁はとても美しいと思います。あっ!土井善晴氏の大阪弁も最高!

ちょっと話が逸れてしまいましたが本の中に「こぉと(質素で上品)」という言葉がでてきます。祖母がよく使っていましたが、私自身記憶の片隅にかろうじてあった言葉。でも今聞いてみるとこれまたすごく今の自分にしっくりきました。そして久しぶりに目にした言葉をきっかけに私の追い求める永遠のファッションテーマは「こぉとで洗練されている」ことなんだと改めて思ったのです。

その時代その時代新しい言葉や表現が生まれる訳ですが「ヤバイ」なんて表現が「かっこいい」という意味になるなんて10年前に誰が予想したでしょう!?大人の女が使うべき言葉ではないと思いつつ仕方なく場の雰囲気で言っちゃうこともありますけど、、、(苦笑)

とまあ、1冊の本からいろいろ思いめぐらしておりますが、ちょっとご興味のある方は高田氏の「みおつくし料理帖」シリーズから読んでみてくださいね!ハマる人はハマる!!!

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