fc2ブログ
2016/03/05

お薦めアート本

今日はとてもとてもお勧めしたいアート本のご紹介です。どれほどお勧めかというと昨日2時間余りソファに座ったまま没頭して一気に読了したくらい(笑)。それほど面白いんです!アートの話に絡めて映画や音楽の話、そして筆者河内氏のNYの思い出話が随所に散りばめられ、アート紹介本であると同時にとびきり上質なエッセイでもあるのです。本を通じて私たちの前にはアートの扉がいつも開け放たれているという筆者からのメッセージが真っすぐに伝わってきます。

IMG_20160304_184932 (600x600)

私はインテリアの世界からアートの世界に飛び込みアートの知識が乏しいのをとても恥ずかしく思っていました。それを埋め合わせるためアート関連の本を常日頃から読む習慣を身につけています。いわば必要に駆られての読書だったわけですが、背景や文脈を知るにつれ現代アートはさらに楽しくもっとワクワクするものとなってきたのです。

通常アート関係者による本は難解なものが多く、少女時代から本が大好きだった”往年の文学少女”(笑)であり、かつかなりの活字中毒者である私でさえ内容と言うより文章自体を理解できない。その度に「やっぱり私ってアホなんや、、、」と、どんよりするのです。(←今きづいたのかよっ!)

でも以前ある有名アーティストが”どちらかというと難しい批評は苦手。批評家は美術をあえて難しくするようなイメージがあり、自分の作ったものでさえわからない見方や考え方をしていることに、なんだか、、、”といった内容の発言を読んだ時にほっとしたんですね。その意味でもこの本は文章が軽快で、すでにアートラバーの方々、そしてアートビギナーの方々、どちらの脳にもすいすいぐいぐい入ってきます。(登場する中で知っているアーティストの数は違うかもしれないけど、、、)

そうそう見方と言えばこの本の中に私の大大大好きなロバート・ライマン氏のインタビューの一部が紹介されています。「あなたの絵を見た人にどんなことを感じてもらいたいですか?」との問いに「絵画にとって一番肝心なのは喜びを与えることなんじゃないだろうか、もし誰かが絵を見て喜びを感じたとしたらそれに勝るものはないでしょう。」といった下りがありました。私はすっごく嬉しくなってポンと膝を打ち(ホンマは打ってへんけど)「おおお~~~~~!ミスター・ライマ~ン!私はあなたの絵を見てこの上なく喜びを感じたよ~!」と目の前に本人がいたらガッシとハグしたい衝動に駆られました。

そしてもう一つ思ったこと。本のあとがきに出版された経緯のようなものが書かれており、私はこれを読んでこんなに楽しいアート本を出版しようと思いついた編集者の方にもなんだかとてつもなく感謝したい気持ちになりました。「アート本なんて売れない。」という出発点ではなく本当に興味深いから共感できる人がいるはずだっていうその発想に純粋に感動を覚えたのです。このような興味深いアート本がどんどん出て来たらどんなに楽しいでしょう!(断捨離本もファッション着回し本ももういいです、、、あ、言っちゃった、笑)

なにはともあれこの本は続編も出るそう。今から楽しみでなりません!

関連記事

コメント

非公開コメント