ちょっと思ったこと
勉強会は2部構成。1部はミラノサローネ報告会、そしてその後に私のアートバーゼル報告会という流れでした。私も今年のミラノサローネの話を聞きたかったので席に座って拝聴。インテリアの世界から少し距離を置いている今ですが、とても面白くインテリアの今年の行方みたいなものを知ることができて大満足でした。でも話を聴きつつちょっぴり不安になりました。多くの方々はインテリアの話には興味があっても現代アート、しかもアートバーゼルの話なんでつまんなく感じるんじゃないかって。参加者はかなり多かったのですが、このうち半分くらいの人が帰ってしまったらどうしよう?話の途中で爆睡する人多数かも、、、なんていつになく弱気になったりして、、、
ところがそんな不安はすぐに吹き飛びました。皆さんとても熱心に耳を傾けてくださって真剣なまなざしで画像を追いながら時折メモを取っておられる姿も。もちろんどなたも席を立つことなく当然ながら寝てる方なんていませんでした。(人前で話すのが慣れてくると寝てる人とかも探せちゃう!笑) アートバーゼル報告会なんて内容は珍しく、皆さん聴かれたことがなかったようでとても楽しんでくださいました。
数年前までことあるごとにアートの飾り方の切り口で様々な場所でトークをしてきましたが、今回明らかに「何かが数年前と違ってる。現代アートがだいぶ浸透してきてるんじゃないか」と感じたのです。
お時間のある方続きをどうぞ、、、
トークが終わりパーティーに出席しましたがたくさんの方から質問や感想を頂きました。中には「話に出ていたティルマンス展、初日に観てきたんです!」という男性がいらしたり「話の中にでてきた"アートもどき”ってどういう意味かすごくきになるんですが、、、」とかなり細かいところまで聞き逃さずに質問してくださる方もいたりと、皆さんの熱心さにちょっと驚きました。概ね話の内容には満足して頂けたようで一安心。少し前なら「アートはわからない。特に現代アートは理解不可能。」とシャッターを目の前で閉ざされるような思いをすることが多々ありました。でも何かが少し違ってきている。わからないなりに次の答えを探そうとしている方が増えているような気がしたんです。
ディベロッパー対象ということでアートバーゼルの話のあとにホテルに飾られているアートの話もさせて頂いたのですが、その辺りでも親近感を覚えて頂いたのかもしれません。
ホテルのアートと言えば先日パレスホテルに滞在していたマイソウルメイトTさんが館内アートを紹介した美しい小冊子をお土産に渡してくれました。パレスホテルに数多くのアートが存在していることは周知のことですが、立派な小冊子が用意されていることは知りませんでした。その中には私が今まで納品した作品の作家も多く含まれていてTさんいわく「こんな素敵なアートを教えてくれたこ奥村さんに感謝感謝」!と言ってくれました。私こそまだピヨピヨコーディネーターの時に先輩コーディネーターでもあったTさんが現代アートの楽しさを教えてくれたことを今でも感謝しているし、すべてはそこから始まったと思っています。
もうそろそろ「アートはわからない」てフレーズは封印しませんか?だってわからなくて良いんですもの。もしかしたら制作しているアーティストだけしか本当のことはわからないのかもしれません。わからなければ心の眼でまっすぐにアートと向き合って、一生懸命想像すればいいだけのことなんです。現代アートを観ることは意外にとても簡単。だって観る人それぞれが100通りの解釈ができるのですから。
私は家にアートを所有し、かつ展覧会を観に行く2本立てで充実したアートライフを送れると思っています。どちらか一つが欠けてもつまんない。No Art、No Life!!!でしょ?(笑)
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