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2015/07/20

 ベネチアビエンナーレ2015の話など(7)

私の選ぶジャルディーニ会場ベスト3の最後はオランダ代表ヘルマン デ フリース氏の展示です。氏の経歴はちょっぴりユニークで、造園や植物保護の仕事に就いた後にアーティストに転向しており、仙人のようなお姿が印象的。様々な土地に滞在しその場所で収集された自然物の数々を作品にしたり、その土地の土や鉱石で色を作ったり、、、この下の画像にある鮮やかな色がすべてそれらから生まれたなんて信じられません。(ちなみにバーゼルVOLTAでも氏の作品が出展されていましたが、買えない価格ではなかったです。むしろ買っておけばよかったくらい。。。)

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氏の制作テーマは植物界への愛情なんだとか。あまりにも難解、あまりにも政治色の強い作品を多く観た後だったからでしょうか。デ フリース氏の作品は私の心にやすらぎを与えてくれました。

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作品の根底には禅や仏教といった思想もあるそうで全ては平等という気持ちからご本人の名前も herman de vries 。お気づきですか?大文字は使用せず小文字だけのレタリングなんです。

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結局のところ今回のビエンナーレでも私の心に響き記憶にしっかり残ったのはごりごりと政治的なメッセージを押し付けてくる作品ではありませんでした。そして以前目にした記事であるキュレーターが言っていたひとことをふと思い出したのです。

「優れた芸術作品はさまざまな政治的な問いを突き付ける。政治を(直接)アートにしてはならない。政治的な(意味を内包した)アートをつくるんだ。そうすれば対話につながる」

”秘すれば花”、、、ちょっとちゃうか、、、(笑)



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