10周年企画(1)なぜこの仕事を始めたのか編
この10年(準備期間も含めるともっとになりますが)私なりに少しずつ実績を積んできたつもりでも、今だアート業界では「あ~あのインテリアの人ね。」てニュアンスで対応されることがほとんどです。最初の頃は私のやってることをちゃんと知ってほしいなあ~と思う気持ちがありましたが、10年も経つと”おそらくそういう人はこの先私のHPだって見てくれないだろうし、仕事の内容に興味ももってくれないよね”と開き直る気持ちのほうが大きくなり「そうそうインテリアの人です~」なんて適当に答えてます(苦笑)
この仕事を始めるまでは「インテリア・アート業界どちらかは手を差し伸べてくれる人もいるだろう」そう思ってましたが正直甘かった、、、でもそんな中にあってもお客様や私の仕事を応援してくれる仲間がいてなんとか頑張ることができました。なのでこの話をするにあたっては駆け出しのIC時代に遡ったところから始めることにします。
ワタクシのスポ根的お仕事物語にご興味のある方は続きをどうぞ。。。
まずは修行時代の話からスタート。その頃私は大学を卒業しインテリアスクールで学び直してから小さなデザイン事務所でアルバイトをしていました。当時は景気も良かったので普通に就職するというのが当たり前の時代。ほとんどの友人たちは大きな企業に勤め華やかなOLとして働いていました。正直とても羨ましかったけどIC資格試験に合格してICになる!という夢(そうその頃は若いから妄想なんて言わず夢と言ってたものでした、、、)があったので割と平気だったんです。その時なんてビンボウで洋服なんて買う余裕なかったし、よく「ボーナスが出たからランチごちそうしたげるよ!」なんて近くで働いていた親友N子におごってもらったものでした。笑えるけど本当のオハナシ。
3年に渡るそこでの話は涙無くしては語れないので飛ばします(笑)。
その後私は憧れていた住宅メーカーのアシスタントとして採用されることとなりました。そこでキャリアをスタートさせた私は恵まれていたと言えるでしょう。その頃ICは新しい仕事として脚光を浴びてましたが、その中でもIC制度を業界で一番最初に取り入れたその会社の専属になることはものすごく幸運なことだったからです。
私が採用された神戸支店は本当は即戦力となるICを要していました。なので本来なら私は不採用のはず。ところが東京から面接試験にやってきた業界初の女性取締役でICの草分け的存在、すでにレジェンドとして君臨していたある方の「神戸があの子を採用しないんなら私が個人的に秘書として雇う。あの子はぜったいに良いコーディネーターになるから!」との鶴の一声で採用が決まったのです。
その話を聞いたときはなんと光栄なと感激したけれど、後から思えば私なんかを秘書にしたならばすぐにトラブル連続でえらいことになっていたはず。今でこそ私はしっかり者で通ってますが、その頃なんてもうヌケヌケの”全然頼んない人”だったし、おまけにネットもない時代。事実先輩コーディネーターたちの東京出張の新幹線チケットを頼まれ買いに行ったはいいけれど、見事に日程を間違えていたというようなことを日常茶飯事的にやらかしておりました。
アシスタントはICのための細々としたお手伝いや大量なサンプルやカタログを整理するのがお仕事の大半でほとんどが力仕事。(インテリア系のカタログ、外壁タイルサンプル、カーテン見本帳そのほか諸々それぞれのなんと重いこと!)常に新しいサンプルを用意していないとICの打ち合わせに支障をきたすため、ワークルーム、いくつもある打ち合わせコーナーすべてを常にチェックせねばなりません。「私の相棒は台車さ!」てな毎日。加えて支店によってはイジワルなICがいて毎日泣いていたアシスタントもいたぐらいでした。それにある期間耐えた人たちにやっと東京での昇格試験のチャンスが与えらてそれに合格したら晴れて正式ICになるという結構シビアなシステム。。。
でも私がいた神戸支店ではとても良い先輩たちに恵まれ、関西中で最年少ということもあり皆が本当に可愛がってくれて、たくさん仕事を教えてもらいました。(その先輩の一人がマイソウルメイトTさん)大変なこともあったけど、なにかあると皆がアドバイスをくれたり一緒に怒ってくれたり励ましてくれたり、、、仕事以外にもおいしい献立を教えてもらったり、仕入れた面白いネタを披露しあって笑い転げたり、と仕事場とは思えないようなほわほわとした温かいワークルームでした。時折あのままあそこにいたらどうしてただろう?なんて思うことがあります。私にとってその時は最終目標がICになることだったし、あまりに居心地が良くてなにかを新たに始めよう、なんてこれっぽちも思わなかったでしょう。気が付くと知らないうちに歳を取ってた、て感じだったかも。。。
その後結婚を機に奈良に移り住み、同じ会社の専属とはいえICとしてたった一人で仕事に向かうことになったことから私の仕事観、そして生き方さえも大きく変わってゆくことになりました。。。続く。
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