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2013/11/29

ベネチア(4)アンゴラ館を訪ねて、、、

さて昨日の超すごい展覧会と同じくらい心に残ったアンゴラ館の様子です。アンゴラは今回初参加。当然ジャルディーニに・アルセナーレ会場にも出展はできませんが堂々の金獅子賞受賞!小国の受賞に心温まります。

場所は普段は公開されていないらしいイタリア・ルネサンス美術のコレクションがぎっしりのチーニ館というお屋敷。建物だけでもそれは素晴らしい。そして展示アーティストはEdson Chagas。この展示がユニークかつ心憎い!

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またしてもこれはどういうことかを説明せねばなんのことやらわかりませんね。このゴージャスな空間の中に無造作にポスター上になった作品がうず高く積まれているのです。斬新すぎる~!

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撮影されているのはルアンダの町。瀟洒な建物の中に対照的に朽ち果て寂れた感じの風景が並んでいるところが心に訴えかけてくるものがあります。

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そしてスタッフがなにやら作業中。どうも作品の補充をしているように見えるのだが、その行動読めず。後からこれらのポスターは当初持って帰ることも可能だったのですがあっと言う間に無くなってしまい、私たちが訪れた時には販売という形が取られていたということを知りました。

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なんかこの赤いのにくるんで持って帰るっぽかった。包装紙???

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お金を大量に注ぎ込んでいる展覧会はそれはもちろん素晴らしいけれど、それとは対照的に展示の方法でそれと同じくらい観る者に印象を与える展覧会もあるってことを再認識。金獅子賞受賞にも納得でありました。

旅の偶然エピソードその1
ちょうど同じ時期にベネチア滞在予定だったポートギャラリーTの天野夫妻。現地で会うかもね~なんて言ってたら本当に偶然水上バスに乗り合わせお互いびっくり~!いきなりの関西弁が飛び交う船の中「ここは御堂筋線?」の錯覚。。。

旅の偶然エピソードその2
ベルリンのところでご紹介のアーティスト三家俊彦氏がなんとキュート麻酔科医麻ちゃん先生のご友人の弟さんだったことが判明!ブログを見て驚いた彼女がメールをくれてそれに私も驚く展開。あまりの偶然に鳥肌!まさに Le monde est petit!!!

2013/11/28

ベネチア(3)すごすぎた、、、ルドルフ・スティンゲル展

では中断していたベネチアリポートに戻ります。今回ベネチアビエンナーレに行くことは決めていたものの「夏は暑くてやだよな~秋だよね~」と思いつつ、10月には台湾行ったり東京のトークイベントがあったりして結局終わり間際のぎりぎりの訪問となりました。でも結果的に晩秋のベネチアは街を散策するのにぴったりの気候で大満足。

そんな訳ですでにビエンナーレに出かけられた方からすればはずいぶんと遅れたリポートなんですが、まっ、私の駄ブログなんてアート関係者の方誰もご覧になってないし、、、と開き直りこつこつアップしてゆきます。

まずは公式のビエンナーレプログラムではありませんが、強烈な印象で観る者を圧倒したルドルフ・スティンゲル展から。これについてはかなり話題になっていたのでどなたかのブログでちょっと前知識は仕入れていたのですが、想像をはるかに超えるシュゴ~~~~~イ展覧会でした。ベネチアに着いてすぐに観に行ったこともありそれ以降観たジャルディーニ・アルセナーレ会場の記憶がぶっ飛ぶほど。「ごっそりいいとこ持っていきましたね~スティンゲル師匠!」といった感じ。(←だれが師匠やねん、、、)

展示場所は大富豪であり世界一のコレクターピノー氏の所有する美術館パラッツオグラッシ。とりあえずこの画像から、、、これ一体ど~ゆ~意味だかおわかりになりますか?

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宮殿の床・壁すべてがインクジェットプリントされたオリエンタルな文様のカーペットに覆われているのです!

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普段この美術館はピノー氏コレクションのために存在していますが、初めてソロの展覧会を許したアーティストがスティンゲル氏だったらしい。

ピノー氏:「今回自分1人でつこてええから、、、」
スティンゲル氏:「ええ~ほんまっすか?」

そんな感じだったのかと勝手に”関西弁”で想像しながらニヤニヤ。。。

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でも流石のピノー・スティンゲル両氏も非常灯だけはいかんともできなかったらしい。。。
さてそのカーペットに覆われたそれぞれの空間に贅沢に作品が設置されています。

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もうなんだかすごすぎてわかんな~い!

この作品はスティンゲル氏の友人ですでに亡くなったアーティストの肖像画を基にしたものと後で知りました。

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この壁紙のような作品も素敵だった。。。そしてキャンバスの処理もお金持ちコレクターのハートに訴える感じで美しい。

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すいません、まだまだあります。

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そして毎回のお楽しみ。”持って帰ることができるならどれにする?”妄想遊びの結果こちらに決定!
いったいいくらするんだろ???

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建物全体を使ったインスタレーションとしての素晴らしさに加え、もう一方でそれぞれの平面作品はお金持ちコレクターが競い合って買いたいと思わせるという、オソロシイまでに計算されつくした展覧会でありました。(スティンゲル氏の所属ギャラリーはガゴシアン、ピノー氏はクリスティーズのオーナー、、、納得。。。)

この展覧会を観ただけでもベネチアに行ったかいがあったというもの。で、ワタシ達は滞在しているうち3日間スティンゲル展を拝みにいったのでした。題して”おかわり3杯スティンゲル詣。”

2013/11/26

積水ハウス×奥村くみコラボ企画「アートと暮らす素敵な日々」設営が終了しました!

ベネチアリポートの途中ではありますが、ちょっとお知らせです。

28日から始まる積水ハウスとのコラボ企画の準備が整いました。(詳細はトップページ固定中です。)

アートを飾ることにより空間に躍動感が生まれ、住まいとしての格もさらに増します。そしてなによりアートと暮らす日々は住む人に癒しと安らぎ、そして時にはパワーも与えてくれるのです。このイベントで多くの方にその想いを伝えたいと私の大好きなアーティストの作品を心をこめて選び、そして大切に大切に空間に飾りました。*作品はもちろんお買い求め頂けます。*

自分で言うのもなんですが、素晴らしい空間になりました。(もちろん作品の力と積水ハウスのモデルハウスの素敵さのお陰ですが、、、)実際に作品をご覧頂きたいので予告編はちらっとのみ、ふふふ。

住まいにアートをどうやって飾ればいいの?そんな疑問をお持ちの方、自宅のアートを探しておられる方、そして新築予定の方、皆さん是非是非足をおはこびくださいませ!関西にお住まいの方必見です!!!


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展示作家は天野憲一・岩名泰岳・潮田登久子・川北ゆう・坂田峰夫・田中朝子・坪田昌之・中川佳宣・中島麦・平体文枝の10氏。どの作品もそれぞれが一番輝く場所に飾っています。7日に予定されているセミナーでは場所ごとの飾り方のポイントや作品解説を行います。そして当日には産休中だったお菓子の妖精パティシエール琴美ちゃんのお菓子も御土産として皆さまにお持ち帰り頂きますのでこちらもお楽しみに!


さて設営には昨日も頼れる助っ人U氏が大活躍。アートラバーマダムE子もお手伝いに来てくれました。そしてテッタイ(手伝い)君3号N氏も初出動!京芸の院生であるN氏に「奥村のテッタイしてたらアーティストとして大成功するという都市伝説作ってるとこだからがんばってね。」と妙なプレッシャーをかける”上から目線のコワイおばちゃん”を彼はどう思ったのだろうか???なにはともあれ3号君もとても良い青年でした。
2013/11/23

ベネチア(2)リベンジのルベリショールームそしてアマンホテルを臨む

ちょっとアートネタにもお疲れかと思いますので、インテリアネタはさみます。それも飛びきり極上のです。

これまた旧ブログでも書きましたが前回ルベリショールームを毎日訪ね歩き、やっと探し当てたと思ったら工事中だったという悲しい話。ルベリと言えばベネチアで生まれたそれはゴ~ジャスなファブリックブランド。ミラノスカラ座の緞帳にもその生地が使われており、代々続くファミリービジネスという所がこれまたイタリアっぽい。

その雪辱を果たすべく再訪したショールーム。あ~2年待ったかいがあったわ~シュテキ~!

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”イタリア版できる女子”って感じのスタッフがテキパキと感じ良く接客してくれます。
机の上にはどこかの物件でのプレゼンの用意が。こんなファブリックを使えるなんてなんて羨ましい。。。

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どのお部屋もゴ~ジャス!いったいどんな打ち合わせがここで繰り広げられているというんでしょう。きっとクライアントなんて直接来ないんだわ。クライアント専属デコレーター、もしくはラグジュアリー物件のインテリアデザイナーが来るところなんでしょうね。。。

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どこを見ても美しいファブリックが溢れています。意外に思われるかもしれませんが、ワタクシ実はモダンなものよりちょいクラシックなものの方が好きだったりします。

興奮して意味も無く写していたシャンデリア。撮影した記憶無し。

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いや~ん!もうカッコ良すぎる~!

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日本ではマナトレーディング扱いですが、少し前にマナのスタッフHさんに「最近ルベリの生地を使ったすごいホテルができたんです~」と聞いていたのでちょっと尋ねてみると「そうそうこれよっ!」て感じで建築雑誌を見せてくれる。更に6月にアマンホテルがベネチアにオープンしたとどこかで読んだので「アマンのこと?」と尋ねると「アマンにも入れてるけどこれは違うホテルです。」との返答。

そこでミーハー的質問「アマンホテルってどこにできたの?」”イタリア版できる女子”は「すぐ近く!そこよ!」と通り向かいならぬ運河向かいを指差す。「あの2つの塔がある建物よ!」(これも興奮の余り撮影したせいか斜めっている。)

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おお~あれがアマンね!てっきりひっそりとした場所に隠れ家のように存在すると思ったらこんな目抜き通り(通り?)にオープンしてたなんて!思わず「行きた~い!」と漏らすと「コーヒーを飲みに寄ったら?」とオソロシイ提案をその女子がしてくれる。かつて東南アジアのアマンホテルには幾度か滞在したことがありますが、それはリゾート地の気安さもあってのこと。階級社会がいまだしっかり存在するヨーロッパで、しかもツーリスト然としたいでたちで訪れる勇気も面の皮の厚さも持ち合わせいる訳がない。

いいの、いつか宿泊する目標が(妄想レベル)できたから。。。

2013/11/22

ベネチア(1)

あっさり、すっきり、さっぱり、といった感じのベルリンからずっしり、どっしり、こってりのベネチアへ。(どっしりはどっちの街にもあてはまるか、、、)

さてベネチアビエンナーレに2度続けていった私が学んだことがいくつか。ずっと昔からベネチアビエンナーレに通っておられる方にとっては私などひよっこですが、、、

1)道に迷っても住人に聞いてはいけない。

これは2年前の旧ブログの中で書きましたが、ベネチア住人は成人に達するまでに恐らく一生分、いえもしくはそれ以上ツーリストに道を聞かれ続けてげんなりしているのかあって、極力ツーリストと目を合わせないようにしています。(風に思える。)もし無理矢理目を合わせて道を聞いても「あっち!」「こっち!」としか教えてくれません。彼らにすると精一杯の親切なんだと思いますが、そんな簡単な指示で迷路のようなベネチアの道を探し当てることなど到底できず、更に迷うことになるのです。

2)どんなに興味のある展覧会会場があったとしても地図を見て到達できない場合は15分であきらめる。

ビエンナーレ開催中は街の至る所でたくさんの展覧会が開催されています。でもそれらの多くは見つけるのがちょっぴり困難。そんな場合は縁がなかったと思いあきらめましょう。その代わり偶然の巡り合わせで、それは素晴らしい展示と出会うこともあります。そう、人と同じ。恋愛と同じです。出会いを大切に。。。(←ほんとかよ。)

3)ベネチア時間に慣れる。特に水上バス!

アートラバーというものはベネチアのみならず行った場所でできるだけ多くの展覧会を訪れたいと思うもの。しかしそんな考えはベネチアでは捨てましょう。なにしろ船だけが頼りのベネチアではなかなか思うようにことが運ばないからです。しかも船の速度かなり遅め。最初のうちは船上からの景色に「やっぱりベネチアって素敵!」なんてうっとりしますが、連日アートを追っかけてるとその速度にいらいらしつつ、もし横山やすし(←お若い方わかるかしら?でも私のブログそんなお若い方ご覧になってないわね。)が船に乗ってたら「運転わしに変わらんかい!」て軽くネタになるんだろうな、などと”しょうもなさ”ではかなり”高レベル”な想像をしたりなんかして船中を過ごすことになります。しかも橋が少ないときてるので対岸にぐぐっと引きつけられる展覧会らしきものを見つけても容易にたどり着けない!それも縁がなかったとあきらめるべし。

そうです、ある種の”悟り”を持ってベネチアビエンナーレを訪れることを心からお勧めします。その心構えさえあれば極上のアートの旅を満喫できます。

さてベネチアのお宿はこちらCa’Gottardi。船上バスの停留所からも近くて便利。こじんまりした温かい雰囲気が気に入り前回に続き宿泊しました。

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朝食コーナーも静かでコージー。。。

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すぐ外はこんな感じ。

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いよいよベネチア編のはじまり!